BroadcomによるVMware買収後のライセンス体系の変化とは?
2025年5月26日
こんにちは、総合営業事業部 ビジネスチームの竹内です。ゴールデンウィークも過ぎ、初夏の光が感じられる新緑の美しい季節となりました。
皆様お元気でお過ごしでしょうか。
昨年、VMware製品を導入しているお客様のシステム更新を請負いたしました。
丁度、Broadcom社によるVMware社の買収が完了した後のライセンス変更に巻き込まれた際の事例を紹介したいと思います。
ライセンス問題をどのように対処したのか?
元々所有していたVMwareライセンス(永続ライセンス)を継続使用するのか、それともライセンス変更後に購入可能なVMware vSphere Foundation(VVF)を導入するのか、それぞれの導入費用とリスクをお客様と協議し、結果、元々所有していたVMwareライセンス(永続ライセンス)を使用する事としました。
今回の教訓。
今回のVMwareライセンスについては、最新の正しい情報は代理店経由でしか得られませんでした。
インターネットで情報を調べる手段も有りますが、古い情報と混じり何が正しい情報なのか分からない状態となっていました。
今回、ニュースでBroadcom社がVMware社を買収する話が有り、ライセンス体系も変更される事を知り、それなら変更後のライセンスを購入すれば良いと準備をしていたら、更にライセンス体系が変更される事態となり、公式発表から10カ月経たずに購入予定の製品が終売になる状況でした。
別の製品でも同じような状況が発生する可能性が有るのでは、と考えるようになりました。
皆様方も同じ状況に陥らないようにご注意下さい。
今後VMware製品の更新を検討している方へ。
以前販売されていた永続ライセンスのvSphere Enterprise Plus、vSphere Standard、vSphere Essentials Plus、vSphere Essentialsのメーカー保守サポートの更新は不可なのでご注意下さい。
保守サポートが必要な方は第三者保守を付ける事をお勧めします。
【VMwareとは】
VMwareと言う製品をご存知でしょうか?
サーバ機器を取り扱う方なら聞いた覚えも有るでしょう。
アメリカのVMware社が開発した仮想化ソフトウェアになります。
2023年11月にBroadcom社によるVMware社の買収時点で市場シェア約84%になる、定番の仮想化ソフトウェア(ハイパーバイザー)になります。
仮想化とは、1台のコンピュータ上で複数の仮想的なコンピュータ(仮想マシン)を動かす技術です。
これにより、物理的なサーバやコンピュータのリソースを効率的に使いながら、システムの拡張性や柔軟性を高めることができます。

※ハイパーバイザの部分が仮想化ソフトウェアになる。
上記図ではサーバ1台当たりで、2つの仮想マシン(OS)を動作させている。
CPUコア数、メモリ容量、必要なストレージ容量を増やす事で、複数の仮想マシンを動作させることが可能になる。
2023年11月、Broadcom社によるVMware社の買収が完了し、その後、VMwareのライセンス体系に大きな変更が加えられました。
2024年2月4日には、これらの変更が公式に発表され、ユーザーやパートナー企業に大きな影響を与えました。
製品ポートフォリオの簡素化とエディションの統合
VMwareの製品ポートフォリオは大幅に簡素化され、以下の4つのエディションに統合されました(2024年2月4日時点の公式発表)
•VMware Cloud Foundation(エンタープライズ向けハイブリッドクラウドソリューション)
•VMware vSphere Foundation(中小規模向けのエンタープライズグレード)
•VMware vSphere Enterprise Plus(高度な仮想化機能を提供するエディション)
•VMware vSphere Standard(基本的な仮想化機能を提供するエディション)
全てサブスクリプション型の年間ライセンスになります。
その後、2024年11月11日以降、下位2つのVMware vSphere Enterprise PlusとVMware vSphere Standardは販売終了するとBroadcom社から発表が有りました。

2025年5月現在、購入可能なライセンスは、VMware vSphere Foundation(VVF)、VMware Cloud Foundation(VCF)のみとなります。
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