テレビ・ラジオ中継局
電波法により、総務省令で定める時期ごとに、テレビ・ラジオ中継局を検査する事となっています。
この検査を登録点検にて行うことができます。
田中電気では、「登録点検等事業者」(登録の番号 関検第0021号)として、多数の有資格者が在籍しています。
①年1回の測定器の較正
②放送機器の操作
③測定器の取扱い
④最新法令の確認
など常に行っています。
検査の種類
Types of Inspections
| 検査の種類 | 法律条文 | 検査が行われる状況/時期 |
|---|---|---|
| 落成検査 | 電波法第10条 | 新設局や工事完了後の検査 |
| 変更検査 | 電波法第18条 | 無線設備の変更工事に伴う検査 |
| 定期検査 | 電波法第73条 | 総務省令で定められた時期ごとの検査(テレビ・ラジオ中継局は5年ごと) |
| 臨時検査 | 電波法第10条 | 特に必要がある場合の臨時検査 |
登録点検(定期検査)の流れ
Process of Registered Periodic Inspection
また、具体的な方法は、総務省告示第279号を参照して行っています。
客先(免許人)にて
書類検査、登録点検結果通知書の鑑の部分について確認します。
・選任されている無線従事者の確認、従事事実の確認
・主任無線従事者の監督の事実及び主任講習の受講事実(主任無線従事者を選任している場合)
・備付け書類の確認 無線局免許状、無線業務日誌、申請書類の写し(無線局事項書、工事設計書)
・無線設備の確認
無線局事項書と対比照合して確認します。
免許人の氏名(名称)、住所
現地にて
(1)無線設備の確認
無線局事項書及び工事設計書と対比照合して確認します。
・無線設備(中継局)の設置場所
・電波の型式、周波数
・放送機の型式、製造番号
・空中線系の型式、構成
・電源設備、非常用発電機
(2)電気的特性の確認
点検の項目
・周波数
・スプリアス発射/不要発射の強度
・占有周波数帯幅
・空中線電力
・電波の強度に対する安全施設(電波防護値の計算)
放送エリアにて
(1)電気的特性の確認
実効輻射電力の確認をするため、電界強度測定を行います。
田中電気には登録検査時に必要となる、電界強度測定車を2台所有しております。
電測ポールは最大12mも伸びます。
(2)総合試験
放送エリア内における受信状況を確認します。
評価 (デジタル)テレビ放送 良/否
(FM)ラジオ放送 5(極めて良好),4(良好),3(実用可),2(受信可),1(受信不可)
東京民放5社テレビ中継局の定期点検
Regular Inspection of TV Relay Stations for Tokyo’s Five Commercial Networks
定期点検日の1日の流れ
テレビ中継局とは、視聴者がテレビ電波を関東圏のどこにいてもきれいに受信できるための設備です。
田中電気が保守を行うテレビ中継局は、およそ130地点ありますが、その中から某中継局をピックアップし、定期点検の内容をご紹介いたします。
準備
システム部品等の梱包作業~出発
局舎内の劣化していた装置の修理完了品を戻すために、丁寧に梱包しています。
車に荷物を積んで、出発です!
車の駐車
事務所から約2時間半で到着しました。
森の中です。
車止めをしっかりタイヤにつけます。
山は平衡感覚が分からなくなってしまい、実際は傾いてる可能性があるため、必ず車止めをつけます。
登山の準備
背負子に荷物と修理品を括り付けて固定します。
登山①
開始
看板があるこちらが入口です!
早速急斜面が待ち受けていました!
この日は雨が降っていたので、雨合羽と長靴で登りました。
雨の日も風の日も、雪の日も、暑い夏の日も、天候に合わせた格好で登ります!
登山②
中継局までの道を「登局路(ときょくろ)」と言います。
草が伸びて道がないところもありました。
登山③
登局路では、猪や熊、鹿などに遭遇することもあるそうです。
今回私はトカゲに遭遇しました。
中継局に到着
30分登り続けて、やっと見えてきました!
大量に汗をかいて、着くころにはもうフラフラでした。
点検開始の連絡
まず到着したら、関係各所に「今局舎内に入りました。これから点検を行います」と電話をします。
局舎内には必ずテレビがあり、しっかり放送できているか確認するためにテレビをつけて作業を行います。
注意喚起の札を設置
写真の札を掲げることで、さらなる注意を促して作業を進めます。
点検開始
点検業務開始です。
電波測定器で、正常に電波が受信されているか点検します。
後輩への指導
ときに先輩社員が後輩社員に質問しながら点検を行うことで、田中電気のノウハウを引き継いでいきます。
点検完了
点検作業は2時間ほどかかりました。
帰りは、滑り落ちないように細心の注意を払って下山しました。
20分ほどで下りることができました。
事務所まで安全運転で戻り、一日の点検作業終了です。